八重樫 VS タンヨン(その2)

東洋太平洋ミニマム級タイトルマッチ 12R

○ 八重樫 東(東洋太平洋ミニマム級王者、大橋) 1R2分55秒 KO勝ち
× リエンペット・タンヨン(同級6位、タイ)


よく外国人選手が早い回にKOされてしまった場合、「相手が弱すぎたのでは?」と言った評価が、ファンによって語られることがある。今回も試合は僅か1ラウンドで決着してしまったが、この場合は前述のような評価はまったく不適切であり、むしろ逆のパターンだと理解してほしい。

前日計量の際に、リエンペットの均整がとれ、しなやかに締まった黒光りする体と、その鋭い眼光と不敵なたたずまいを見た盟友ロデル・マヨールが「アイツハ危険ダカラ、油断シナイデ!」と八重樫に忠告したという。実際マヨールの心配は見事に的中した。

試合が始まるとリエンペットは鋭いジャブをビシビシ打ちながらプレッシャーをかけてくる。そして両者の右ストレートがクロスして相打ちとなった際、ガッツーン!という未だかつて経験したことのない衝撃が八重樫を襲った。高校、大学、プロを通じ、これほど強烈なパンチを受けたのは初めてだという。しかもリング下の放送席から聞こえてくる「試合はリエンペットのペースです。」というガッツ石松氏の解説が偶然に耳に入り、じっくり様子を見てから、後半勝負という戦前の作戦は見事に吹っ飛んだ。

以降は見ての通り。一見打ち合っているかのようにも見えるが、寸でのところでリエンペットの強打をことごとく見切り、自分のパンチのみを確実に当てていく。まず左フックで最初のダウン。更に左ボディからの右ストレートで2度目のダウンを取ると、最後はロープ際の攻防から右ショート、(返しの)左フックを決め、完全KOした。相手の強さに危機感を抱いたが為の早まったKOタイムであった。

これにより八重樫は初防衛に成功するとともに、戦績を6戦6勝(5KO)とした。もはや八重樫の実力は誰もが認めるところ。今後は最短記録世界王座7戦目奪取を目指し、対イーグル京和戦に照準を絞っていく。


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