フェニックスバトル26(その2)

第6試合 フェザー級10回戦 細野 悟 VS 吉村 厚志(グリーンツダ)
第5試合 スーパーフェザー級8回戦 岡田 誠一 VS 金丸 清隆(正拳)
第4試合 フライ級6回戦 上間 大貴 VS 清水 裕司(正拳)


 今回の目玉は、何といっても細野、岡田、上間といった現在の大橋ジム主力勢が久々に日本人対決に臨むというところだろう。

 「ノーランカーの外国選手は強さの規準が曖昧で、日本人選手の真価がイマイチ伝わらない。」というファンの声に応える意味から今回のマッチメークが実現した。本来はガンガン活きのいい日本人選手同士をぶつけていきたいのは主催者の本音でもあるのだが、細野、岡田、上間らは一様にアマ時代の輝かしい実績を持っており、またデビュー戦などで凄まじいKO勝ちのイメージが先行してか、同等の日本人選手にオファーを出しても、なかなか折り合いがつかず、結局相手を選ばずに勇敢に闘う外国選手を招聘せざるおえないのが実情なのだ。だが今回はマッチメーカーの並々ならぬ努力により、主力選手全員(メインは除く)が国内選手と戦える機会を得ることができた。

 今回セミ登場の細野 悟にとって、今回が約半年ぶりの出場となる。正月にはメキシカンを6RKO、そして5月には右腕靱帯を痛めながらもタイ国王者を1RKOで倒し、波に乗る細野であったが、スパーリング中の事故で脇腹を痛め、6月の試合をキャンセルし、長期間の欠場を余儀なくされた。ボクシングの虫と云われ、「三度の飯より試合が好き」と公言する細野にとり、この半年間は苦悶に満ちた日々であった。

 だが欠場といえばこの男の名を決して忘れることはできない。岡田 誠一である。岡田は八重樫と同期で、細野の1学年先輩であり、プロデビューも細野より僅かながら早い。だが足の古傷が悪化したため、昨年4月の試合を最後に4勝(4KO)の戦績を残したままリングから遠ざかっていた。実はこの時、岡田の足の状況はかなり深刻なものだったらしい。「手術をしても現役復帰は難しい。」と医師にも言われた。

 だが岡田は決してあきらめなかった。手術後、徹底したリハビリに励んだ岡田は、医師も舌を巻くほどの驚異的な回復力をみせた。それまでの1年あまり岡田は1度たりともジムにも試合場にも姿を見せなかった。「下手に誰かに接触したら、焦って中途半端な状態で再起したくなる。」と懸念してのことだったのだ。その甲斐あってか、復帰してからの岡田の調子は上昇の一途をたどった。盟友細野とのスパーは「このスパーだけでも客が呼べる。」と大橋会長が唸るほどの迫力だ。

 試合数、ランキングの上ではかなりの差がついてしまったが、リング上の2人にはそれほどの差も感じられない。剛の細野と柔の岡田。今回は対照的な2人が相手を久々の日本選手に代えて、どんな試合を見せてくれるのか? 両者の意地の張り合いに大いに期待したい。

 そしてもう1人。6.4パシフィコでタイ国人相手に1RKOでセンセーショナルにデビューを飾った。「悪魔王子」上間 大貴が今度は日本人を相手に文体に降臨する。前回もデビュー戦とは思えぬクールな試合運びでタイ人を半殺しにした上間だが、美しい顔に1発だけ返しのパンチを当てられてしまったのが余程悔しかったのか、試合後はかなり不機嫌な様子だったという。今回は1発も喰わずに、日本選手をいけにえにすることができるのか? 考えただけでも恐ろしい。


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