八重樫 東の1.14直前情報(その2)
<WBA世界スーパーフライ級タイトルマッチ>
アレクサンデル・ムニョス(ベネスエラ) VS 川嶋 勝重(大橋)
いきなり川嶋さんなんで、大変恐縮なんですが...。川嶋さんはジムの大先輩ですし、ジムの一員としては100%川嶋さんの勝利を信じています。
ただFC事務局が敢えて辛口でと要求するので、ここからの話はあくまで仮の話ということでお願いします。(苦笑)
僕の予想は正直に言うと五分五分です。王者ムニョスは怪物的なイメージが定着しているため、スピード・技術で上回る川嶋さんが有利という声もよく聞かれます。でも僕はムニョスは決してパンチだけの選手とは見ていません。前回ムニョスに挑戦しました相澤選手なんですけど、実は僕のアマ時代の大先輩なんです。そして、この方は本当に凄い実力者なんです。その相澤先輩はパンチの当て勘が超人的に優れている人で、いつも右ストレートをビシビシ命中させながら主導権を握っていくんですね。
ところが前回の試合ではその右がほとんど出てなかったんです。「相澤は踏み込みが足りなかった。」みたいに言っている人もいますが、僕はそうは思いません。相澤先輩は試合の時、何度も右を出せる射程内に入っていて、もう一つの得意技である至近からのボディーブローも何度も出しているんです。何が言いたいかというと、ムニョスは非常に反応が早く常に動いているために、相澤先輩の右が完全に殺されてしまっていたということなんです。右を出すタイミングが掴めないまま無理に追ってしまったら、それこそ“エクスプローシボ”(爆薬)と呼ばれるムニョスの殺人パンチに無防備に身をさらすことになります。だから“ムニョス=破壊=怪物=のろま”という考えは全くナンセンスなのです。むしろムニョスはバランス感覚に優れ、質の高い技術と恐怖の殺人パンチを同時に併せ持つインテリジェンスモンスターなんです。
ここまで言ってしまうと絶望的みたいに聞こえてしまうんですが、実はそんなことはありません。川嶋さんにもチャンスは充分にあります。僕は川嶋さんがムニョスを攻略するには左ジャブが有効だと思っています。実は川嶋さんは知る人ぞ知る左ジャブの達人なんです。川嶋さんのジャブは変化に富んでいて、なかなかタイミングを読みづらく、しかも威力はストレート並みときています。このジャブを最大限活用しながら試合(ゲーム)を支配していけば、当然川嶋さんの必殺ワザ左フックも当たってくるでしょう。更にその先には一撃必殺の右クロスが炸裂するチャンスも充分に予想できます。
でもやはり世界レベルの人たちのことなんで、試合はやってみなければわからないというのが本音です。ただ僕としては川嶋さんの必勝を願うだけです。ボクシングは基本的に個人のスポーツなので、自分が勝つことにしか興味がないというのが以前の僕の考え方でした。でも大橋ジムに入って、川嶋さんと共に合宿し、いろいろなアドバイスをいただいたり、面倒を見ていただいているうちに、自分のこと以上に川嶋さんにもう一度チャンピオンに返り咲いていただいて、僕たちの先頭を走って欲しいと思うようになりました。ですんで今僕は、自分自身が世界戦を控えているような心境です。
川嶋さんが勝ったら、次は僕もまた世界を獲りにいきますんで、その時はどうかご声援のほどよろしくお願いします。
(C) OHASHI BOXING GYM