八重樫 東の第28回フェニックスバトル直前情報(その2)
<メインエベント 10回戦>
細野 悟(東洋太平洋フェザー級2位、大橋) VS リカルド・エスピノーザ(WBC米大陸スーバーバンタム級王者、メキシコ)
今回はホントに見どころだらけなんで何から始めたらいいのか非常に困ってしまうのですが、とにかくメインエベントということもありますので、細野の試合から見ていきたいと思います。
昔から「風雲昇り龍」という言葉がありますけど、今の細野にはその言葉がまさにぴったり当てはまりますね。もともと凄いヤツなんですけど、今の細野の勢いは半端じゃないですよ。以前の細野って、調子のいい時はとてつもなく強かったんですけど、一歩リズムが狂うと「これが同じ人?」って思うぐらいしょっぱい試合をしてましたよね。僕は前回のレポートでこの現象を「相手が強くて試合中追い込まれた時、細野は強い自分に目覚め、弱い相手だと目覚めないまましょっぱい試合をする。」と分析していたんですが、前回の真鍋選手との対戦では、その仮説が当てはまらなかったんですよね。
どういうことかっていうと、試合前に細野とぼくで「真鍋選手は超ハードパンチャーでガンガン攻めてくるから、しっかり見ながらカウンターを取ろう。」って決めていたんですよ。ところがいざ試合が始まると真鍋選手は思いもかけず慎重に攻めてきた。つまりこれは細野にとって見込み違いだったわけで、強い細野に変身するために必要な機会を失ってしまったわけです。にもかかわらずフタを開けてみれば、終始冷静かつアグレッシブな試合運びでKOキングの名をほしいままにした強豪真鍋選手を10RにあっさりKOしてしまった。これは今までの定説を覆す結果ですよね。
いったい細野に何が起こったのか?
賢明なファンクラブの皆さんはもうお気づきのことでしょう。そうです。細野は何らかの刺激(不可抗力)を受けないと散漫になりがちだった集中力を、常時自分でコントロールできるようになったんですね。それを裏付ける根拠として、最近のスパーリングにおける飛躍的な向上が挙げられます。これまでの細野ってスパーでファイタータイプの選手と対戦すると、かなり格上の選手であっても圧倒的な強さを見せていたんですけど、技巧派タイプの選手と対すると、ランク外の選手でも意外と苦戦することがありました。ところが最近はどんなタイプの選手に対しても、それなりの対応ができるようになりました。つい先日も日本屈指のテクニシャンと言われる日本王者の粟生選手の胸を借り、互角に戦い抜いたという情報もあります。まだまだ発展途上ですが、細野が自身の持つ天然の強さを自在にコントロールできるようになったとしたら、とてつもなく恐ろしい怪物が誕生しますよ。
細野は昔から中南米、特にメキシカンには強い憧れを持っていますんで、メインで強豪メキシカンと対戦できることを誰よりも楽しみにしていて、おそらくモチベーションも上がりっ放しでしょうね。まあ相手が国内強豪だろうが、メキシカンだろうが、今の細野の勢いは止められないでしょうね。
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