八重樫 東の第28回フェニックスバトル直前情報(その4)
<第5試合 10回戦>
翁長 吾央(WBC世界スーパーフライ級19位、大橋) VS チャンサクノイ・サックルンアルン(東洋太平洋ミニマム級11位、タイ)

 いや〜〜。びっくりしました。まさか翁長さんと同じジムになろうとは夢にも思いませんでした。だって翁長さんって言えば、アマチュアボクシング界では僕なんか足元にも及ばない超エリートで、雲の上の人でしたから。ちょうどこれまで頼りにしてきた川嶋さんがリングを去られ、それと入れ替わるようなタイミングで翁長さんが移籍してこられたことは、自分にとって心強い限りです。

 既にプロ転向して10戦(10勝7KO)していて、WBC世界19位にランクしている翁長さんですが、沖縄のジム(地元も沖縄)に所属されていたこともあって、こちらではまだ知らない方も多いと思います。翁長さんの強さと言ったら、それはもう半端なもんじゃないですよ。今回はタイの東洋ランカーが相手ということですが、翁長さんと互角に渡り合える相手を選ぶんなら、イーグルやポンサクレックくらいでないと正直、相手にならないですよ。まあ、今回はお披露目ということで、皆さんには翁長さんの必勝パターンをしっかり確認していただく良い機会ですね。

 ところで翁長さんがどんなファイトスタイルかを簡単にご説明すると、変な言い方ですが「サウスポーの技巧派ファイター」と呼ぶのが実にしっくりくるような気がします。本来川嶋さんのようにガンガン前進するのではなく、自分の距離に相手を引き込みながら高度な技術を駆使して試合を組み立てていくので、限りなくボクサータイプなんですが、ひと度チャンス目に入った瞬間、野獣のように猛然と襲いかかるところは何ともファイターなんですよね。

 その翁長さんの最大の持ち味は、何て言ってもポジション取りの絶妙さです。翁長さんはサウスポーなんですが、その特性を彼ほど試合で活かせている選手はなかなかいません。それはなぜかというと翁長さんがサウスポーである自分のパンチを最も効果的に打ち込めるポジションに常に自分の身を置いているからなんですね。これはやろうと思ってできることでは決してありません。だってボクシングでは相手も常に動いているんですから。これを実現するにはボクシングの経験と知識が豊富なだけでなく、相手の動きを瞬時に読み取り、自在に体を反応させていける感性が必要になります。単に運動神経の良さだけでは決して不可能ですね。

 翁長さんにはもう一つ強みがあります。それはズバリ「殺気を殺せる」ところです。戦っている時には少なからず殺気が出るのは当然ですよね。翁長さんの場合、その殺気をまったくと言っていいほど、相手に感じさせないんですよ。顔色一つ変えずに飄々と戦いながら、得意パンチを繰り出す射程内に相手を充分に引き付けておいて、一気にズドンと高速のパンチを打ち込むわけですから、こりゃたまらないですよ。

 殺気を気づかせる間もなく相手を仕留める。文字通り「必殺」です。「本当かよっ?」って思う方もいるかもしれませんが、これはすべて事実であり、先輩への社内営業的賛辞では決してありません。「百聞は一見に如かず」と申します。是非とも当日は会場に足をお運びいただき、僕の話が決してオーバーでないことを確認していただければ幸いです。


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