第19回フェニックスバトルを振り返る(その1)
東洋太平洋スーパーフライ級タイトルマッチ
○ 有永政幸(12R判定)
× ウェンペット・チュワタナ(タイ国)
試合経過
前回の初防衛戦では、無敗の丸山大輔を迎え撃ち、会心のKO勝利を収めた有永。
実はこの試合中、有永は左肩亜脱臼を起こしていた。その後、容態は悪化の一途をたどり、大橋会長は一切の練習の中止と2ヶ月近い完全休養を命じた。休養後は、負傷箇所をかばいながらダマしダマし、練習を再開してきたが、けがは完治せず、難敵の全王者ウェンペットを迎えることになり、不十分な準備で戦うことを余儀なくされることになった。本来ならしっかり準備してタイトル戦に臨みたかったが、再戦を蹴った場合は、王座を返上しなければならず、やむを得ない出陣となった。
試合は予想通り、復讐に燃えるウェンペットが体ごと飛び込んで来る“必殺!”の右ストレートで機先を制して来た。“かなりキレがいい”
序盤この右が再三有永の顔面を捉え、ややウェンペットペースに。だが、有永も負けじとフットワークを生かし、右ジャブと得意の右アッパーでウェンペットの侵入を防ぐ。
4R中盤、有永のワンツウが炸裂するとウェンペットの動きは止まり、さらに右アッパー、左ストレートがヒットすると、流れは完全に有永に傾く。
5R〜7Rには、有永が大攻勢を仕掛け、ウェンペットをKO寸前まで追い込む。だが、不完全な調整のせいか、あと一歩のところで倒しきれず、せっかくのKOチャンスを逃してしまった。
後半に入ると、消耗気味だったウェンペットが徐々に息を吹き返し、9Rに右連打から突如出してきた左アッパーがアゴを直撃すると形勢は逆転。乱戦から有永が転倒(スリップ)した時には、一瞬だがセコンドも青ざめた。
しかし、そこで終わらないのが有永。ラウンドの後半、攻め疲れの見えたウェンペットに右アッパーを連続して叩き込むとまたまた形勢は逆転し、左ボディ、左ストレートを喰い、ウェンペットはダウン寸前に。
終盤、ウェンペットは最後の気力を振り絞り右ストレートを打ち込んでくるが、決定打にはいたらず、両者足を止めての打ち合いの末、有永が3−0で文句なしの判定勝ちをもぎ取った。
大橋会長の談話
ケガのため不十分な練習環境の中で、良くここまで頑張った。9回にいいのをもらった時には、もうダメかと思った。あの状況から試合をひっくり返すのは、並大抵の精神力では無理。有永の根性にはホントに敬服するよ。
今、東洋太平洋1位のゴーレス(フィリピン)から挑戦状がきているが、今の肩の状態で3月に指名試合を戦うのは絶対無理。本人はやりたいと言っているが、(タイトル)返上させ、しっかり調整した上で世界を狙わせる。
(※)今年1月6日に有永政幸は東洋太平洋のタイトルを返上した。
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